評価の高い
もち米が生まれる
「もち米団地」の秘密
北海道各地には、わたしたちが主食とするうるち米は作らず、もち米栽培に限定している集団「もち米団地」がいくつかあります。
北海道外でのもち米団地比率は80%弱ですが、北海道ではほぼ100%。
徹底したもち米の栽培管理がなされていることが伺えます。
稲作農家と言えど、主食であるうるち米は栽培せず、他から購入するという徹底ぶりです。
それではなぜもち米に限定して栽培する必要があるのでしょうか?
本来、もち米は野生では存在せず、うるち米から品種改良して生まれたお米です。
もち米は劣性遺伝のため、うるち米の花粉が受粉しただけで、すぐにうるち米に戻ろうとしてしまう性質があります。
そうなると、もち米の特徴である粘りが弱くなり、品質が落ちてしまいます。
そこで、広域にわたってもち米栽培に特化することで、うるち米との交配や混入を防ぎ、上質なもち米を作る取り組みがなされてきました。
もち米団地の結成により、北海道のもち米は高い評価を得ています。
もち米と
うるち米の違いは
なんだろう?
せんごく農園で作付しているお米は「もち米」です。
お正月に食べるお餅や、お赤飯、おこわなどに使われる、もちもちとした食感が特徴的なお米です。
一方、わたしたちが日常的に食べているお米は「うるち米」です。
両者の違いは、お米を構成しているデンプンの種類と比率にあります。
もち米は、粘りを作る「アミロペクチン」で全て構成されています。
うるち米には硬さを作る「アミロース」が20%含まれています。
この違いが、もち米とうるち米の食感の差を生み出しているのです。
また、デンプンの構成比の違いにより、見た目にも違いがあります。
うるち米には透明感がありますが、もち米は不透明な白色をしています。
北海道を代表する
もち米に育て!
「きたゆきもち」
北海道をもち米の一大産地に仕立て上げたのが「はくちょうもち」という品種。
耐寒性が強く、柔らかくて粘りも強いもち米で、北海道のもち米を代表する品種として広く栽培され続けてきました。
「はくちょうもち」の名の通り、白度が高く、お餅やおこわの原料として用いられています。
同様に、北海道のもち米の人気を牽引してきたのが「風の子もち」です。
「風の子もち」も柔らかくて粘りの強い特徴があり、収量の面で「はくちょうもち」より優れています。
これまでせんごく農園でも「はくちょうもち」と「風の子もち」の作付けを行ってきましたが、2012(平成24)年より「きたゆきもち」を作付、出荷しています。
きたゆきもちは「はくちょうもち」や「風の子もち」よりも、耐寒性や白度、粘りや柔らかさなどにおいて、優れた特徴を持ち合わせています。
おこわの食味官能試験でも、つやと味の良さで高評価を得ている「きたゆきもち」。
みなさんの食卓で愛され続けられるもち米になることを願っています。